パソコン操作練習に電子カルテを使った事例紹介
キーワード 電子カルテ 脊髄損傷 パソコン操作練習
職場復帰を想定して訓練課題を変更したいとのご要望がある患者さんからよせられました.
要望それ自体は特に変わっていないのですが,復帰目標の職場が医療機関でした.
職場に近い環境を訓練で実現したい,ワープロなどではなく電子カルテを使ってパソコン操作の練習をしたい…
ご意見はごもっともですので早速調査を始めました.当然のことながら,当院のシステムはセキュリティ保護のため訓練に利用できません.
納入業者さんに練習用の機材をお願いしてみましたが,これもなかなか話がまとまりませんでした.電子カルテソフトの体験版などあるのだろうか?と検索してみましたら…ありました.
三栄メディシス株式会社は電子カルテDearDr.のお試し版を下記で公開しています.
http://www.san-ei.com/deardr_index.html詳細なマニュアルもあり,準備は順調に進みました.
この写真は練習用機材の概要です.
対象の患者さんは,高位頚髄損傷で右手でマウスのみ使えます.右手前ののオーバーベッドテーブルには,力の不足を補うためにすべりのよい摩擦の少ない布を敷いています.パソコンは古いノートパソコンWinXpです.
キーボードは,アトランティス堂(http://www.atlantisdo.com/index.html)のPIGYソフトウェアキーボード を使ってキーボード操作をマウスで行います.(ノートパソコンのモニタに表示されています)DearDr.自体はフルスクリーン表示をしますので,別のモニタを用意してデュアルモニタにしてそちらに表示しています.
お試し版ですのでいくつか制限はありますが,電子カルテ練習の環境を準備でき意欲を持って練習を開始しました.
とかく無味乾燥になりがちなパソコン操作練習課題ですが,この事例では意欲や満足感など提供できました.大変特殊な事例ではありますが,当初の予想に反してトントン拍子に環境を整えることができました.
もしかして同様の事を計画している方や困っている方,あきらめている方のご参考になればと思って公開することにしました.
最後に,このような貴重なソフトを公開してくださっている三栄メディシス株式会社様に感謝いたします.
2018/3/19 UTF-8 に変更
2010/1/7 公開研究企画課リハ工学科にもどる