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現在、歴史上他に例を見ないほど生活のあらゆる場面で 音楽がごく身近に存在している。 これは、1980年代のsonyのwalkmanから始まり、2000年代のAppleのiPodで加速された。 また携帯電話やスマホの普及で一気に限界近くまで音楽は行き渡った。 いまでは町ゆくジョギングランナーも通勤電車の乗客も多くはイアホンつけてひとりひとりの音楽の世界にいる。
このように周囲に気兼ねなく楽しめる個人的音楽プレーヤの利用場所としては、病院ほどふさわしい場面はない。入院中の楽しみとして多くの人が音楽プレーヤを利用している。 ところがここで困ったこともある。特の高齢の方や手に不自由のあるかたではおおよそ次のような不自由や不便がある。
１ プレーヤが小さすぎて表示が読めない
２ スイッチが小さすぎて操作しにくい
３ 操作が複雑すぎて覚えきれない
携帯音楽プレーヤは多くのメーカがたくさんの機種を作り販売しているし、 今時高齢者向けと銘打った商品など珍しくないのだから配慮した製品は少し探せば見つかるだろうと思ったが、いざ探してみるとこれがなかなかない。
では高齢者や不自由な人が音楽を楽しむにはどうしたらいいのだろう？ やはり自分で何とかするしかないのだろう。そこで 身近な不要品を利用していろいろ応用、融通がきくものを考えた。
10年以上昔のWindowsXPのノートパソコンがあるのでこれを使うことにした。 一応動くが、仕事に使うにはかなり無理がある。バッテリも消耗し尽くしている。 セキュリティーも気になるのでネットには繋がずに使うことにする。
音楽再生ソフトは無難なところでWindows Media Playerを使うことにする。バージョンは９で外見はかなり懐かしい。
操作のホットキー（ショートカットキーとも言う）を調べると簡単に分かった。
再生と一時停止は、ctrl+p
停止は、ctrl＋s
次の曲は、ctrl＋f
前の曲は、ctrl＋b
音量大は、f10
音量小は、f9
音無しは、f8
ホットキーはこのほかにもかなりたくさんあるし、今のバージョンもこれは変わっていないようだ。しかし必要以上に操作を増やすのは今回の目的には合わない。
パソコンにUSBゲームパッドをつけ、ボタン操作をjoytokeyでこれらのホットキーに変換して、Windows Media Playerを動かそうと考えた。
ゲームパッドとはパソコンゲームを操作しやすくするための道具で、多種多様な製品が流通している。例えば下記のページを見ると、どうしてこんなにたくさんの種類があるのか悩むほどたくさんある。そもそも趣味の世界とはこのようなものだ。
Google 画像検索 ゲームパッド
JoyToKeyとはゲームパッドの入力をキーボードやマウスの入力に変換し、さまざまなアプリケーションを操作できるようにするユーティリティソフトで、主な用途はゲームだが、今回のようなゲーム以外の用途もある。
JoyToKey 公式ホームページ
下の図では、十字ボタンの上に音大、下に音小、右に次の曲、左に前の曲、ボタン9に再生一時停止、ボタン10に停止を設定している。
当然のことだがゲームパッドは握りやすくボタン操作もしやすい。またJoyToKeyを使えばそのひとの使いやすいように各ボタンに操作に割り当てることができる。さらにまひが重度な場合は外部スイッチの利用もできる。そして何よりも丈夫でやすい（ものもある）。
パソコンを使うと各種の音楽ファイルやcdも再生できる。既に手持ちの音楽ファイルをコピーして聞けることが多い。大きな音を出すには別のスピーカーを繋げばいい。音楽ファンも満足する音質とはいかないがまあまあの音が出る。
介護者の負担を軽くするために、電源スイッチを押すだけで、Windowsの起動から音楽再生まで一気に行いたい。このためにはWindows Media Playerの再生リストのショートカットをオートスタートフォルダーにコピーしておくといい。もちろんパスワードの設定も解除しておく。また電源ボタンをおすと、自動的にシャットダウンするように設定するとこれも楽だ。
実際にやってみると問題もある。起動したWindows Media Playerからフォーカスが外れると、操作できなくなる。これを防ぐためにはWindows Media Playerを最大表示しておくといいだろう。
ノートパソコンを使った音楽プレーヤについて説明した。携帯性はかなり低下するが、手指の不自由なひとにとって操作性はかなり改善される。いま小型携帯音楽プレーヤで苦労している音楽好きな人たちの選択肢のひとつとなるだろう。また機器操作の練習用としても利用できるだろう。 手近に古いWindowsパソコンがある方は一度試して見てほしい。
2017/07/10 公開
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