私も高齢になりました。PC-9801MのDiskBasicから、かれこれ40年たちました。
おかげさまでまだ足腰はしっかりしているのですが、パソコンに向かっていると、さすがに肩が凝ったり目が疲れやすくなってきました。これはまちがいなくトシです。
しかしそれでもやりたいことがあるので、いろいろと工夫をしてなんとかんとかやっています。あまり効果のなかった工夫も、それなりによかった工夫もあります。今回は少し趣向を変えて、不自由をもった私のそんな取り組みのお話をしたいと思います。
聞くところによると、似たような苦労をしている方々がかなりおられるようです。そんな方々のご参考になればと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
私が、最初にパソコンに不自由を感じたのは、画面の小さな文字が読みにくくなったことです。おそらく多くの方が同じ経験をされることでしょう。
まず表示でズームを設定し拡大しました。しかしそれでは表示量がすくなくなります。特に文章作成では多くの行を表示したいので、大きなモニターに変更することにしました。しかしワイドモニターでは横幅が大きくなる割に上下方向はあまり大きくなりません。そこで17インチ標準モニター2台でデュアルディスプレイにして縦の寸法を確保しました。これは今も使っています。
ゴシック体にくらべて明朝体は見えにくいので、作業はすべてゴシック体でしました。そして印刷など必要なときだけ明朝体を使用しました。
その後、フォントの種類によって見え方がかなり変わることに気が付き、いろいろなフォントを試しました。
その結果、現在では、Ricty Diminished や PlemolJP ばかり使っています。もちろん印刷や提出の際は適宜フォントを選んで使用しています。
アップルコンピュータのMacは表示がきれいとの評価が一般的です。Windowsと比べるとかなり差があります。しかしWindowsでも無料ソフトのMac Typeを使用するとかなり改善されると知り試してみました。効果は絶大でした。これは今でも使用しています。しかしこれでもイマイチ感はたしかにあります。
その後、Androidタブレットの表示がきれいなのは、linux派生だからという話を聞き、ubuntuをためしてみました。古いWindowsのパソコンにubuntuをインストールしてみたら、同じ機械なのにまるで別物のように表示がきれいになりました。また古いパソコンでもubuntuならかなり軽快に動くところも引かれました。
ただし、Windowsでやってきた仕事をubuntuに引き継ぐにはその後しばらく時間がかかりました。しかしようやくMSofficeを卒業し、Libraofficeに切り替えました。
これで小さなフォントもしっかり表示されるようになりました。こうして大きなモニターでなくても、かなりよく見えることになりました。
そもそもの原因は、Windowsが小さなフォントをきれいに表示しない設計だったということのようです。
一時肩こりに悩まされましたがいまではこれも解決しています。
まず若い頃はデスクトップパソコンのメンブレンキーボードをバシバシと使っていました。さすがにこれでは高齢になると疲れます。
そこで打鍵スタイルを変えるためにキーボードをメンブレンからパンタグラフへ変更しました。つまり『バシバシ』から『ぺたぺた』へです。これは効果が高くて随分身体的負担が減って楽になりました。
その後、英字キーボードを使うと、シンプルなキートップ表示と大きなスペースキーとエンターキーでさらに肩こりが楽になりました。このように使用するキーボードで負担を変えることに気がつきました。
このようなキーボード行脚の旅(たくさんコレクションしました)はやがて、ThinkPadへつながりました。
姿勢も大切な要素です。いろいろ試した結果、机は高め、椅子は低め、膝は屈曲して、背筋を伸ばした座位姿勢、肘は机につき、モニタを軽く見下ろすようにすると疲労も少ないようです。
ほどほど休憩し軽く体操するのも大切です。 キーボードやマウスも同じものを使い続けない。時々変えて変化をつける。 パソコンも時々変えて変化をつけます。同じ道具では体の同じところが疲れがたまるようです。作業場所を変えるのも効果があるようです。
この他にもいろいろ試した結果現在ではこのようなことになっています。
2010年ころのThinkPadの7段英字キーボードタイプを大小何台か所有しています。古いパソコンなので安く手に入りますし、新品のキーボード部品も入手可能です。これらの全部にubuntuを入れて環境はすべて統一し、目的に合わせてこれらを使い分けています。
一台は上記のノートパソコンと同じくubuntuで利用しています。 もう一台はWindowsです。MacTypeとデュアルディスプレイで主に業務用です。キーボードはメンブレンの英字キーボードを使っています。
今回は、私の身体的衰えとその対応策についてお話しました。当然のことながらだれもが年齢を重ねるとこのような不自由を持つことになります。障害をお持ちの方もお年を取れば同じことがおきますので、そのような場合にはこれまで今回のお話のような方法で継続できるようにお手伝いをしてきました。 そしてやがてその順番が私自身にもやってきたわけです。
そして誰もが不自由を持つのですから、だれでもなんとかできるようにしておきたいものです。 今回のお話がいろいろな人の不自由を軽減するてがかりになってほしいものだと思います。
以上、ご参考まで。
2023/07/14 公開
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