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オープンフレームワーク openFrameworks


オープンフレームワークとThe EyeWriter

The Eye Mouse の元になった、The EyeWriter はオープンフレームワーク(openFrameworks)を用いて作られています。このためThe Eye Mouse の開発を進めるは、オープンフレームワークについていくらかの基礎知識があると作業の円滑な進行に役立つと思います。
ところがここでオープンフレームワークの説明をするのは、楽な仕事ではありません。しかし大変幸運なことに、初めてオープンフレームワークスに接する読者向けの書籍が公開されています。
Beyond Interaction PDF版をCreative Commonsライセンスで配布開始!
http://yoppa.org/blog/4299.html
この本は、応用例の紹介、開発環境の構築、プログラミングに基本など丁寧に解説してあります。また、応用例の中には、The EyeWriter の事例も紹介されていますが、この他のほとんどの応用例が芸術系、メディアアート分野というやや異色?の書籍です。

オープンフレームワークの特徴

このように、オープンフレームワークは芸術系のユーザを対象として開発されたシステムであることが特徴です。このためプログラム初心者が取り組みやすいように配慮が各所になされています。この "Beyond Interaction" も初心者向けにわかりやすさを優先して編集されています。ご覧になってください。
今このページをお読みになっている方の多くも、コミュニケーションエイドをはじめとする福祉用具に関心はある一方、プログラムはちょっとという方が多いのではないかと思います。 このような方こそ今後の作業をより効率的に作るために、このような枠組み(フレームワーク)を利用するのがよろしいかと思います。

オープンフレームワークのメリット

以前、The Eye Mouse をオープンフレームワークを使わずに作るとしたら作業量はどの程度になるかという話をしたことがあります。ある人の意見では、一から作るとおそらく3倍かかるだろうとのことでした。経験者のレベルの人でこの程度ですので、経験の浅い場合にはこの差はもっと大きくなると思います。

芸術系のシステムで、福祉機器が作れるのかとご心配の方もおられるでしょう。
しかし仕事をするには、どんな履歴書を持っているかよりもどんな能力を持っているかが重要です。実際The EyeWriter はこのシステムで作られていますし、統計ソフトのエクセルの表とVBAで『しゃべる文字盤』を作った事例もあります。
表看板で判断するのは、この際いかがなものかと思います。

オープンフレームワークの最大のメリットは多くのライブラリが比較的容易に利用できることです。The Eye Mouse で多用しているテンプレートマッチングも OpenCv に含まれる機能のひとつです。このように多くの機能がライブラリとして提供されているため、そしてほとんどすべてがフリーであるので、アイデアを試みに形にする作業を効率的に進めることができたのです。The Eye Mouse のコードの中にはこのような試みの痕跡があちこちに見られます。
また好ましいフレームワークが利用できると、制作だけでなく維持管理の際にもメリットが期待できます。
まず、 "Beyond Interaction" から始めることをおすすめします。


2014/10/30 公開

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