しゃべる文字盤のつくりかた
おわりに
約半年間、『しゃべる文字盤のつくり方』と題してVBAのプログラムについて説明してきました。読みにくく、わかりにくい文章におつきあいいただきありがとうございます。
しゃべる文字盤は、意思伝達に問題を抱える人々の技術支援を行う際のいくつかの問題を解決するために2008年ころから作り始めました。まず多い問題は、伝の心やレッツチャットなどの意思伝達装置がないことです。 何しろ高価です。またこれらは別のユーザの誰かからちょっと借りてくるのも簡単ではありません。 レンタルもいいですが、費用や待ち時間や返却時間のしばりがあります。また教え役が使い方を勉強するのにも時間がかかります。スイッチ選択や配置の検討などやるべきこともいろいろあり、これにも時間がかかります。
これらの準備ができたらいよいよ操作練習が始まります。しかし操作方法が覚えられない。(カンニングペーパーが役に立つこともあります。)体調が不安定で維持できない。意外に忙しい。などの理由でレンタル期間が過ぎてしまうこともあります。
このように意思伝達装置の操作練習を開始するまでの準備にずいぶん時間と手間がかかります。 もっと手軽に身の回りにあるパソコン等の道具を使って、『やればできるかもしれない』といった手応えを確認する段階まで早くたどり着くことができると、みんなずいぶん楽になるだろうと考えていました。
このほか50音文字盤を使いこなせない時にそれに代わる便利な使い方があまりない。取り組み初期に設定を合わせきれないとあきらめることになりやすいなど、初心者がみるみる意欲を失う場面にも遭遇しました。このような目的でしゃべる文字盤を自分で作り始めましたが、ここまで一応の役割は果たせたのではないかと思います。 ある福祉機器販売会社の社員さんたちはモバイルパソコンにしゃべる文字盤を入れているそうです。どんな形にせよ誰かの役に立つ道具に関われたことを喜ばしく思います。
またこれら一連の取り組みからひとつの結論にたどり着きました。『自分で料理した方がずっと安くてうまいものが食べられる』…こともある
普通の方法ではうまく行かない場合や限界を超える必要がある場合にもこれがヒントになるかもしれません。
しゃべる文字盤の作り方では、機能を細かく区切って説明しました。必要な部分だけコピーできるように、表示にSyntaxHighlighterも使いました。これらが壁を超えようと頑張っている人たちの助けになれば幸いです。
2014/10/3 公開研究企画課リハ工学科にもどる