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呼気式ナースコールスイッチ

写真呼気スイッチ装着写真呼気スイッチ

特徴

  スイッチ操作のための動作が困難な場合でも操作可能
  揺動式エアマット使用者に対応が比較的容易


材料

World Magnetics社,呼気スイッチ,PSF100A,1個 (現在当方では販路が確保されておりません

World Magnetics社のサイトに日本代理店の記載があります.また同等のスイッチとして,MPL社の500シリーズがあり,こちらのサイトにも日本代理店の記載があります.こちらから入手が可能と思われます.(04/09/07)

ホース(熱帯魚用品,ホームセンターで入手可能)

ナースコールコネクタ

電線,1m.(古いナースコールスイッチの電線を再利用しています.)

その他

工具

  はんだごて,ハンダなど


作り方

1.配線

呼気スイッチの端子にナースコールコネクタにつながる電線をハンダつけし,絶縁します.

2.ホースの取り付け

呼気スイッチからは2本のパイプが出ていて,片方には LOW もう片方には HIGH の刻印があります. LOW の方は吸ったとき, HIGH の方は吹いたとき,呼気スイッチが働きます.(短絡,ON) 用途に合わせて,ホースをつなぎます.


さらに改善

唾液が呼気スイッチに入ると故障の原因になると思われます.
吸って(吸気で)操作する場合はそれほどでもないでしょうが,吹いて(呼気で)操作する場合,そして唾液が多い方には注意が必要です.
唾液の対策として,下の図のようなセパレータ(気液分離器)をホースの途中に追加します.また呼気スイッチ自体は,高い位置に置くように注意します.

図セパレータ

吹いても吸っても操作できる場合には,呼気スイッチを2個,図のように使うと,2種類の操作(ナースコールの他に,環境制御装置や意思伝達装置など)が出来ます.

図呼気スイッチを2台使う

顔面を動かせる方なら,酸素吸入用のホースを使い,あご部分にホースの先端に来るようにすると,吹き口が常に口元にあるため,揺動式の耐圧分散マットに対しても,問題なく使用できます.

写真呼気スイッチ装着

補足:ベッドなどからアームを伸ばして,ホース先端を口元に固定する方法では,揺動式耐圧分散マットの使用によって,顔が左右に揺れるため,角度によって,時間によって,ホース先端に口が届かなくなることがあります.上のような方法でこれは解決できます.また,使用者の胸に台を置き,そこからホースを伸ばす方法も考えられます.


予測される危険性

このナースコールスイッチを使用するに際して,ホースの外れや詰まりに注意する必要があります.特に看護作業中にホースが外れる危険性があります.また長期間使用すると,唾液やほこり,異物などによりホースが詰まる危険性が考えられます.そのほかの故障を事前に察知するために,定期的に目視による点検,試験的に動作させる点検などが必要です.


使い方

上肢や首などにの動きがある方なら,ロッド型ナースコールスイッチの方が適している場合が多いようです.一般に呼気スイッチは,より重度の方がお使いになるようです.
また,人工呼吸器をご使用の方でも,口の中の空気を頬で押し出す(または吸い込む)ことで呼気スイッチを操作出きる場合があります.(ストローでジュースを吸う要領です)


ひとこと

呼気スイッチにはひとつ不安に思うところがあります.もしせき込んでいた場合,うまく使えるでしょうか?せきの勢いで吹けるのでしょうか?実際使っている人にこのことを尋ねてみましたが,はっきりした答えはもらえませんでした.
ナースコールを操作するときは,その人はあまり良くない状況にあるはずです.せき込む場合は注意が必要と考えます.


2018/3/19 UTF-8 に変更
04/09/07 圧力スイッチメーカについて追記
03/05/15 公開

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