姿勢保持装置付きの車いすを使用している小児が、大腿骨折ギブス固定のため車いす座位で片足を挙上することが必要になった。
当院では通常、大人用普通型車いすのフットサポートをメーカーから部品として購入した挙上用フットサポートに交換して対応している。しかし今回の対象は、大人用の車いすではサイズが大きすぎる上、自分専用のクッションや姿勢保持機能付き車いすが必要なので、この車いすに手を加えてフットサポートのエレベーションをすることにした。
フットサポート部分のフレームにUボルト二本で合板を取り付ける。この合板に樹脂を熱加工してつくった足乗せ台を取り付けた。それぞれの位置関係は仮合わせの上決定した。
この方法は、Uボルトを使用するので本体への加工は必要ない。また合板を使用するので体格などに合わせ適宜調整でき、また材料も入手しやすく加工も日曜大工程度と容易なので低コスト短時間で提供でき手直し修正も手早くすることができる。合板を使用しているため年単位の耐久性は期待できないが、骨折の用途ではこれで十分と考えている。
このようなものをワンセット用意しておくと、左右別や体格が異なっても、部品を組み立て直すことで次に使う人に合わせることができるので、二回目以降はより短時間で供給できるようになる。特に小児患者はベッド生活が何日か続くとご機嫌が大変悪くなり、ご家族もスタッフも困ってしまうので、このような工夫によってその改善に取り組んでいる。
今回よく似た事例が二人続き手持ちがなくなったので新規にワンセット製作し、この機会に紹介することにした。
2017/09/15 公開
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