Web文字盤の開発がスタートして既に一年がすぎました。ありがたいことにこの間多くの方々から応援とご意見が寄せられました。その早い時期のご意見にはこんなものがありました。
「とやま弁でしゃべるもんはできんがいけ?」
実におもしろく興味深いご提案ではあったのですが、当時まだまだいろいろ課題のあるなかでこれに取り組むのは果たしていかがなものかと考えざるを得ませんでした。このような事情でとやま弁文字盤の開発は先延ばしになりました。
その後、幸いなことに4文字盤切り替えタイプの開発と、モニターテストも順調にすすみました。そして不幸なことにコロナによる自粛と延期と中止により忙しいのに時間に空きができました。この機会をのがしたらこの取り組みが日の目を見ることはもうないかもしれません。ということで今回はやや趣向を変えて、Web文字盤とやま弁文字盤の開発のお話をしたいと思います。
このようないきさつでぱぱっと作ってみました。その割にPWAのオフライン機能や全消去確認メッセージ機能やマルチWeb文字盤機能など充実し、とやま弁とはいえ技術面で力が入っています。
これまで説明してきたやり方で作りました。この間いくらか手こずったところもあったにはあったのですが、なんもちゃべちゃべといらんことゆーてもつかえるもんで省略します。
試しにネイティブの富山人に聞いてもらうと、アクセントとリズムに躍動感がもっと必要だっちゃとのことでした。この文字盤でも利用した、WebSpeechAPIをお作りになったGoogleのみなさんにはとやま弁の改善に向けて今後の参考にしていただきたいと思います。
まず、ことばの不自由なとやまのひとがコミュニケーションエイドWeb文字盤を使って『とやま弁』を使うことができます。これが最大のメリットです。また 日常的にとやま弁に接している人は、タブレットからとやま弁が出てくるのでおもしろがってくれる場合があります。ご高齢の方は笑ってくれます。要はにっこりしてすこし元気がでてきます。
一方でとやま弁をあまりよく知らない方々にどんなよいことがあるかと言うと、、、ちょっと思いあたるものがありません。また考えておきます。
もしお知り合いに富山県出身者がいましたらこれを動かして聞かせてとやま弁の意味をお尋ねください。みんなとやま弁が大好きですから快く説明してくれるでしょう。何はともあれとやま弁で楽しくひとときを過ごしてください。
あれこれ言っても、やはりことばはひととひとをつなぐのが一番の役目ですから、このとやま弁文字盤もそのお役に立てれば幸いです。
2020/06/19 公開
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