すききらいをはっきり言うともめることもある
しかしはっきり言わないとわからないこともある
そこでじぶんではっきりおもちゃ
あるおかあさんは、こどもさんの顔を見ればだいたい言いたいことがわかるとおっしゃいます。これはこれで実にたいしたものです。 しかしとかくありがちな時代劇では、家来があれこれ気配りしすぎると、若殿様やお姫様はいつまでたっても。。。やっぱりこれでは困ります。
こんなときには、じぶんではっきりする練習をするのがいいでしょう。
今回は、そんなひとのためにじぶんではっきりさせるおもちゃを考えてみました。 また声や文字や言葉が不自由でも使いやすいように工夫をしました。
練習のお相手をする際には、わかっていてもわからないふりをして、ゆっくり待ってください。
「ははーーまいりました。じいにはとんとわかりませんでした。」
と扇子でおでこをポンとたたく。といった感じです。
ニコニコの顔をタップ(クリック)すると、にこにこ動画が動き、にこにこという音がでます。イヤイヤの顔をタップ(クリック)すると、いやいや動画が動き、いやいやという音がでます。音の大きさはお使いの機器の音量調整でできます。
下のリンクをクリックするとはじまります。わかりにくい上の説明もよくわかります。
じぶんではっきりおもちゃ
このおもちゃは、このままでもお使いになれますが、インターネットが通じないところでは使えません。このまましばらくするとインストールしますか?ときいてきます。インストールすると、ホーム画面にアイコンが表示され、インターネットが使えない場所(例えば屋外、車内など)でも使えるようになります。
インストールの案内が出ないときは、Chromeの場合『メニュー』から『ホーム画面に追加する』を選んでもインストールできます。(他のブラウザでは若干異なりますが同じことができます)
これまでご紹介した、しろいいぬのおもちゃ、拍手するおもちゃ、そして今回のじぶんではっきりおもちゃはどれも、画面をタップすると何かの音が出てアニメーションが動くというところがよく似ています。作り方も使い方もほとんど同じです。画面のタップがいくらか苦手でも eSSENTIAL Accessibility を使って補助できるところも同じです。
eSSENTIAL Accessibilityを詳しくお知りになりたい方は文末の参考URLを御覧ください。
ただし使う人からみるとやることはかなり違います。 まずしろいいぬのおもちゃは、自分のやりたいように遊べばよかったわけです。他の人のことはあれこれ考えなくてもいいのです。
ところが拍手するおもちゃでは、まわりのみんなとあわせて拍手するのが一応のお約束です。とはいえむかしむかしの小学生のころには、卒業式の練習ではよく間違ってひとりで起立したり拍手したりして友達に笑われたり、あくびして先生に叱られたりしたものです。だから拍手のおもちゃでも失敗して笑われたりするんじゃないかなと思います。まあこのように気持ちの面でいくらか難しいところもあるわけです。
今回のじぶんではっきりおもちゃでは、まず相手の話をよく聞くのが大事です。そして考えて決めることも大事です。このように気持ちの面でかなりハイレベルになっています。
じぶんではっきりさせることは、ゆくゆくはコミュニケーションにつながる下準備だと思っています。コミュニケーションというとなにかの方法で考えていることを表現することも大事なのですが、それと並んで他の人と人間関係をつくる、かんたんに言うと仲良くやりとりすることもとても大切だと思います。そのための練習のひとつとして、じぶんではっきりおもちゃをつくってみました。
なにはともあれ急に難しいことに挑戦しても挫折しやすいですから、初心者コースから上級コースまで何段階も何種類ものおもちゃを準備して、その人に合わせて選んで遊んで成長していけるようにすることが大切だと思います。これはさながら段差をスロープに変更して通りやすく使いやすくするのと考え方は同じです。一気に段差を超えられる人もいる一方で小さな段差でつまづく人もいるのですから。
ではどうやったらそんなにたくさんのものが作れるのか?またどうやったらそれらを必要としている世界中の人のもとに届けることができるのか?これを探し求めてもう何年もいろいろやってきました。そしていままでのところおもちゃの作り方や配り方はずいぶん完成度が上がってきたように思います。もう少しで私もサンタクロースみたいになれるかもしれません。
小学校でパソコンを習ったこどもたちも今は30代になっています。そして今、小中高校では「情報」の勉強に取り組んでいる若者もいます。 きっとなかには、こんな事を勉強しても何の役に立つのだろうとか、この仕事はコスパいいだろうかなどと、思っている若者もいるでしょう。
金儲けはいつの時代も苦労とリスクがつきものです。 ただコンピュータやインターネットの世界はこれまでできなかったことができるようになるフロンティアがまだ徐々に広がりつつあり、アイデアと企画が形になる可能性がかなり存在するのは間違いないようです。 青年から少年少女の皆さんにはがんばっていただきたいものだと思います。また高年齢の方々も特に遠慮して頂く必要はありません。なかなかおもしろいです。それにお孫さんがびっくりすること請け合いです。
2023/02/03 節分 公開
研究企画課リハ工学科にもどる
←もくじはこちらです