どっかーん
スイッチの練習に熱心に取り組んでもらうのはどうしたらいいのか?
熱心に取り組んでもらうにはいくつかのポイントがある様に思います。
まず楽しみがある事。これは小さなこどもさんだけでなく、ご高齢の方にも、またおとなの方にも大事なところです。診察にしても訓練にしても、とかく医療の場面では愉快なことや楽しいことはあまりありません。それなのに多くのおとなは文句もいわずこんな私たちとおつきあいしてくださいます。しかしこどもさんや一部のおとなの方は態度や行動でご不満を表現されることがよくあります。
訓練や練習に限らず、前向きに取り組んだ方がよい結果に結びつきやすいことはまずまちがいないでしょう。ですので楽しい雰囲気をつくるようにつとめている医師や訓練士や看護師などはいます。小児病棟へ行くといろいろな飾りやお人形が目につきます。これらも楽しい気分作りに役立っています。
なんにせよ楽しく気持ちよくとりくんでいただけるための工夫は必要と思います。
さて前回までは、画面のどこかをタッチ(またはクリック)して画面を動かすおもちゃを紹介しました。画面タッチが苦手な場合は、iPadタッチャーやPPSなど外部スイッチを使ったり、顔認識マウスや視線入力なども利用できますので、その方が使いやすい方法や道具をおつかいいただけます。
今回のおもちゃは、ちょっと難しくなります。画面に現れる赤い四角をタッチするとそれらが飛び跳ねます。タッチ動作のまえに赤い四角に手を近づけるリーチ動作をします。赤い四角はあちこちに飛び跳ねますので、あちこちにリーチしてタッチします。ぴょんぴょん飛び跳ねる赤い四角を捕まえてください。虫取りみたいですね。さあうまくできるでしょうか。
しっかり見て、どっちに跳ねるか考えて、すばやくつかまえてください。
次の試作品は、もうすこしむつかしくなります。今度は赤い四角がふたつのほかに青い四角が出て来ます。それも4つです。赤い四角はタッチすると飛び跳ねます。これは同じです。青い四角は、タッチしても何も起きません。ただタッチしたまま指を動かすと指にくっついて動きます。指を離すと青い四角はぽとりと落ちます。説明はこれくらいにして、さっそく何が起きるかやってみましょう。
スイッチ操作の練習でつぎに大事なことは出来不出来が自分でわかることです。すこしの改善でも『見える化』できてすこしづつでも変化したり改善しているとわかれば元気もでやすくなります。特に大きなけがや病気でひどく元気をなくしているひとにはこのような工夫は大切です。前進しているとわかればそれだけ明日が楽しみに思えるでしょう。
また自分の調子には波があることがわかれば、すこしうまくいかなくても落ち込むことはなくなるでしょう。また多少の出来不出来に一喜一憂することもなくなり気持ちの面で落ち着くことにつながるでしょう。またリズムの変調から体調不良を見つけることもできるかもしれません。
ただしこのような微妙な変化を精度よく観察するのは人間業では容易ではありません。このような場合はそれに適した道具と方法を活用するのがいいでしょう。
2021/01/22 公開
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