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このなかでJoyToKeyというソフトを使用した。ここではキーボードやマウスの代わりにゲームパッドを使うことと、そのために使用するソフトウエアについて説明する。
このソフトは、パソコンに接続したジョイスティックを動かしたり、ゲームパッドの特定のボタンを押したとき、特定のキーボードまたはマウス操作が行われたのと同じことをパソコンにさせる機能がある。
最も代表的な用途は、全ての操作をキーボードで操作するゲームパッド非対応のパソコンゲームをゲームパッドを使って遊ぶことだ。
例えば飛行機操縦ゲームで上下左右操作を、左はA、右はD、上はW、下はXキー、ニュートラルはSキーで操作しなくてはならないとする。そこにこのソフトを使うとキー操作の代わりにゲームパッドの十字キーにそれぞれのキー操作を設定し操作することができるようになる。もちろんこれでゲームをわかりやすく操作しやすくより楽しめる様になる。このニーズは実にわかりやすくシンプルで世界中で広く共有されていると思われる。
このように自分の使いやすい道具でパソコンをより快適に使いたいと望んでいるのはゲーム愛好家ばかりではない。人数こそこれよりも少ないがいろいろな不自由をもつ人たちもこれと全く同じことを望んでいる。おまけに不自由でかつゲームが好きな人も少なくない。
このような事情で、ゲーム愛好家の望みをかなえるソフトを使って不自由な人々の役に立つことができる。使用方法にやや違うところもあるが大筋では同じだ。
JoyToKeyの作者は日本のひとのようだが、世界で広く使われている。全くcoolだ。 しかしゲームをはじめとした趣味の世界は妙なところで奥が深い。JoyToKeyと同じ機能をねらったソフトが他にもある。 今回紹介するのはそのような一例だ。
antiMicroを試してみた結果、 こちらの記事と同様にWindows Media Playerをゲームパッドで操作できた。またあたりまえのことだが多くのゲームに使用することもできた。 しかしantiMicroをJoyToKeyと比べるといろいろな違いもある。
まず、ゲームパッドのボタンにかなり多くのキー操作を設定できる。(JoyToKey では順次押下キーまたは同時押下キーがが4個まで)
例えば、ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ と26文字を順次押下に設定すると、全文字が一気に入力できる。
例えば、ctrl A del と設定すると ボタンひとつで、文字やファイルを全消去できる。この場合順次押下と同時押下が混在しているが問題なく動作した。
設定を8セット設定し、これらを切り替えて使用できる。
このようなの過剰とも思われる機能の数々が盛り込まれた理由はなんなのだろうか。かなり込み入った人気ゲームでもあるのだろうか。ゲームの方面に詳しくないのでまるでわからない。もしかしたらその方面の人にはよく知っていることなのかもしれない。もしよろしかったらおしえていただきたい。
このautohotkeyを連想させる設定機能を使うとパソコンの操作手順の簡略化に有効な方法になると思われる。
ボタンで特定のアプリケーションを起動させれば、ゲームパッドがソフトウエアランチャ(例 ボタンを押したら、ワープロなどが起動する。)として使えるだろう。さらに別のボタンで一連の操作をさせ、終了させることもできるだろう。
例えば、メーラを起動してある文字列を入力して特定のアドレスに送信すると呼び出しや連絡に使えるかもしれない。
またパソコンの設定変更など一連の操作を一括して行うこともできるだろう。
これらのようにJoyToKeyでは実現困難な課題についても、antiMicroを使えば実現できるかもしれない。
antiMicroの入手サイト Windows版 (サイト英語標記だがソフトは日本語対応)
https://sourceforge.net/directory/os:windows/?q=antimicro
入手サイトのURLをみるとことさら、os:windows となっている。調べると、antiMicroにはWindows版のほかMacOS版とlinux版があることがわかる。
そこで、ubuntu16.04 に音楽アプリaudacious をインストールし、antiMicro linux版を使いゲームパッドで音楽再生を試してみたが、何の問題もなくあっさりできた。
これまで、ゲームパッドでパソコンを操作できるのはWindowsだけと思っていた。しかしantiMicroを使えばMacOS(未確認)でもlinuxでも同様のことができるとわかった。
またさらにこれによってMacOSやlinux環境でも、エンチャント文字盤をゲームパッドから操作でき、さらに配線を加工すればパシフィックサプライのPPSスイッチなどの外部スイッチも利用できるようになった。 作者のTravis Nickles さんには深く感謝したい。
最近続けて、「ゲームパッドなら使える」というひとに出会った。 もちろん、お二人共ゲームがお好きで、病気が原因で キーボードもマウスも苦手だが、ゲームパッドならいけるというのだ。
どんな取り組みにも熱意と強い動機と努力が必要であるが、 ある人々にとってゲームはそれらの条件を満足する対象となっている。 熱心に取り組んでいるだけあってやってもらうとたしかに操作はうまい。
せっかくそのような技能があるのなら、いろいろ活用の道をつけておき、いざというときの選択肢を増やすのも大切な仕事だろうと思う。大事なのは何を使うかではなく何をするかなのだから。
またよく「パソコンは高価だからむり」という声を耳にするが、経済のバリアを乗り越えるために、多くの人が知らない、「高価でないパソコン」を選択肢として提案できるように進めていきたい。
2017/07/21 公開
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