かならずお読みください注意事項

Web 文字盤 番外編その2

小さなお客さんがWeb文字盤を試しました

タブレット大中小

0 はじめに

ある日、ある時、小児科の先生から電話がかかってきました。そして小学生のお子さんとその親御さん、そしてそのお子さんの担任の先生が三人連れでお見えになりお会いすることになりました。このお子さんはお体が不自由で自分の車いすをお使いになっていました。

親御さんのお話では、お子さんは言葉が不自由でお話がうまくいかないそうです。また右手にも不自由があるということでした。いまは文字盤を指差して言葉をつたえているそうです。親御さんはスマホやタブレットの色々なアプリにも関心を持っておられるがまだ取り組んでおられないということでした。

1 試してみました

早速、大中小、三台のタブレットにWeb文字盤、文字盤4を表示して並べて見てもらいました。(上の写真)

簡単な説明の後、そのお子さんの苗字を私がひらがなで入力して見せました。これに続いてお子さんに名前を一文字づつ入力してもらいました。次の文字を言うと左手の人差し指で押す様子では、特に見え方や聞こえ方や手の形には問題はないようです。次に読み上げボタン(口を開けている顔マーク)を押してもらうと、そのお子さんの名前が聞こえてきました。ご本人の様子を見るとどうやらまんざらでもないようです。

2 相談しました

この様子から、親御さんと先生に、Web文字盤をご家庭や学校の場面で試していただくことはできないかとご提案しましたところ、幸いご家庭にインターネット回線もタブレットもお持ちということで、また学校にもこの用途に使用できるタブレットがあるということでその方向で相談がまとまりました。

一方この相談の最中にもお子さんはすぐとなりでタブレットをあれこれいじって声を出していました。まあこれならうまくいくかもしれません。

早速、インストール手順を説明したページ(文末の関連する話題 Web 文字盤 7 オフラインWebアプリ 通常の使い方とインストールアンインストールの方法) を印刷してお渡しし、なにか問題がありましたらご連絡をいただけるとしてその日のお話は終わりました。

3 おわりに

福祉機器などこのような道具を上手に早く使えるようになるために、苦労をすればいいこともあるとか言ってスポーツドラマのようにがんばる人がしばしばおられます。しかしこの場合それは本当の目標ではありません。福祉機器や道具は単なる手段でしかありません。

本当の目標は、『おはなしするのはたのしいなあうれしいなあ』という体験をおうちや学校で、ご家族や先生やお友達とともに持つことなのです。ですからこの取組はお子さんだけのものではなく周囲の人々も参加して道具を使ってお話する練習をしていただくことが大切だと思います。

そのためにゆっくり時間をかけて急がず急がずやってみてください。そのうち、欲しい物や足りないものがゆっくりわかってきます。そこでまた一緒に考えて相談しましょう。

Web文字盤はこのような使い方をするために作りました。そしてこれをお読みのあなたが同じ取り組みをご希望なら同じことができるのです。

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2021/02/05 公開

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